資料ダウンロード
お問い合わせ

「確固たる戦略をもとに全社の推進体制強化と社員浸透を図る」川崎重工グループが目指す「魂」を込めた健康経営

健康経営伴走推進パートナー
堅田 謙侑

川崎重工グループは、三大重工企業の一角を成す川崎重工業株式会社(以下、川崎重工)を筆頭とした企業グループである。主に、陸・海・空の輸送システムや産業機器、エネルギー関連機器などを手がけている。

同社は以前から従業員の健康を最優先事項の一つとして捉えて事業を展開しており、健康経営の推進体制のより一層の強化を目指していた。

WILLEE代表の田澤とコンサルタントの堅田は、2024年3月から支援に入った。データ分析による戦略立案から実行支援まで一貫したサポートを実施している。

今回、川崎重工の人事本部 安全・健康推進部の長谷川様、森様、横山様にWILLEEの支援で得られた成果や今後の展望について語ってもらった。

会社として従業員の健康を大事に考え、健康管理の制度や体制構築を進めてきた

―川崎重工グループの健康経営に対する想いやこれまでの取り組みをお教えください。

長谷川:川崎重工グループは多岐にわたる事業を展開していますが、すべての基盤となるのは従業員が健康で安全に働き続けられる環境です。当グループではあらゆる企業活動において、従業員の健康を最優先事項として位置付けています。

実際、かつては「健康第一」という言葉を掲げ、それを象徴するタオルを社内に配布しているほどでした。それほど当グループでは健康重視の姿勢を以前から大切にしています。当グループの従業員が常に健康で、そして安心して働ける土台を築くことが安全・健康推進部の使命だと考えています。

横山:当グループには全国各地に事業所がありますが、製造業という特性もあって主要な事業所には診療所があり、産業医や保健師などの医療スタッフが常駐しています。体制面でいうと専門職も常駐し、健康診断の実施だけではなく健康教育などの従業員の健康管理を継続的に行う体制は整っています。各事業所の担当者が中心となって健康教育や従業員個人に対するフォローなどをしっかり推進しています。

長谷川 徹様/川崎重工業株式会社 人事本部 安全・健康推進部 部長

健康経営を中長期的な視点で推進していきたい

―WILLEEと出会う前はどのような課題を抱えていましたか?

:2019年頃から予防的な観点での健康施策を増やし、本格的に健康経営の取り組みを進めてきました。事業所ごとの健康レポートの発行なども実施していましたが、あまり事業所側の理解と本気度を高められていない状況でした。また、次々と発生する課題に対してもその度に対策を講じていましたが、中長期的な視点が不足していたため、事業所の推進担当者もモヤっとしていたと思います。

横山:当時の健康経営推進における最大の課題は、取り組みの方向性に確信が持てていなかったことです。会社の健康課題がこれだという確固たるものがなかったので、事業所を巻き込んだ取り組みの主要テーマもその年ごとの課題感で設定していました。なかなか方向性が定まらず「これで大丈夫だろうか」という不安もありましたね。また産業医からのアドバイスやサービス事業者からの提案など周囲から色々な情報が入ってくるので、その度に何を軸に据えて取り組んでいくべきか悩ましく、方針を決めきれずにいました。

それに加えて、所掌する当課の人員が少なく、法令改正への対応や健康診断の実施、健康管理システムの運用など緊急性の高い業務の対応に追われており、健康経営については本腰を据えて中長期的な目線で戦略を練ることができていませんでした。

森 昭彦様/川崎重工業株式会社 人事本部 安全・健康推進部 健康推進課 課長

導入の決め手は、丁寧に寄り添う姿勢と健康経営の土台づくりへの共感

―WILLEEを知ったきっかけと、WILLEEに依頼することを決めた理由を教えてください。

横山:WILLEEのことは、取引先企業からの紹介がきっかけで知りました。自社サービスやデータ分析の手法を中心に説明する会社も多かったなかで、WILLEEのお二人は私たちの話に真摯に耳を傾け、当グループへの深い理解を示してくれたことがとても印象に残っています。このようなやり取りを通じて、一緒に課題に向き合い、対策を検討して従業員の健康度を高めていきたいという私たちの意向に合うと感じました。

長谷川:ただ健康経営度調査の偏差値向上を追うのではなく、健康経営の土台づくりをしたいと考えていたため、当グループのことを深く理解して一緒に伴走してくれるパートナーを探していました。複数の企業にお話を伺うなかで、WILLEEの田澤さんと堅田さんが一番私たちの想いに共感してくれていたと感じましたね。

また、WILLEEにお願いすれば、健康経営の根本的な部分から一緒に考えてくれそうだという期待感が強く持てたため、正式にWILLEEに依頼することを決めました。

堅田:最初にお話をさせていただいたときの印象として、とにかく健康経営に対する真摯な姿勢を強く感じました。特に横山様が課題感について丁寧に説明してくださったことで、私たちとしても具体的なサポートの方向性を定めることができたと考えています。

また、健康経営の推進体制を本気で変えていきたいという強い意志を感じました。そのため、弊社の知見やノウハウを効果的にインストールし、PDCAサイクルを一緒に回しながら自走化に向けて伴走支援をしていきたいと強く感じたことを覚えています。

横山 篤子様/川崎重工業株式会社 人事本部 安全・健康推進部 健康推進課

戦略立案だけでなく、戦略の理解浸透を図るうえでも手厚いサポートが受けられた

―2024年3月から戦略立案のサポートが始まりましたが、WILLEEからどのような支援を受けましたか?

横山:我々が集めたデータをWILLEEに提供し、それをもとに中長期的な方向性を一緒に定めていきました。ブレない土台を作るためには、軸となるKPIを定めることが不可欠ですし、そのためにデータをどのように分析・活用していくかが重要と考えていました。WILLEEには、我々の当初の期待を満たすアウトプットを出していただきました。

当グループは従業員数も多いため、WILLEEには膨大なデータをお渡しすることになってしまいました。しかし、本当に丁寧にデータを分析していただき、我々自身も気付かなかったような角度から多くのアドバイスをいただくことで視野が広がり、考え方などについては私自身も多くの学びがありました。

:WILLEEから求められたデータは、ほぼ全てが元々当グループで保有していたものでした。これまでにある程度の分析は行っていたものの、さまざまな視点からの詳細分析という点では十分に活かしきれていなかったデータもありました。WILLEEのお二人にデータを整理・分析してもらったことで、現状の課題が明確になったと感じましたね。なぜこの戦略でこの施策に取り組むのか、進むべき方向性に大きな納得感が生まれたと思っています。

田澤:戦略立案フェーズでは、目的の明確化と戦略マップの策定、KPIの設定を行い、さらにデータ分析基盤の構築に基づく課題整理や戦略マップの妥当性検証にも取り組みました。コラボヘルスで重視されていることを踏まえたKPI設定であったり、お持ちのデータから独自KPIを設計したり、皆様と討議しながら貴社に合った戦略が描けたのではないかと思います。

また、これまで個別に管理されていた数多くの施策や実績を体系的に整理し、効率的に施策を評価・改善できる仕組みを整えるサポートもさせていただきました。施策をやりっぱなしで終わらせず適切に評価・改善を図っていきたいという貴社の強い想いを受けて、我々も今までにないくらい詳細に全体像を整理させていただきました。

田澤 直幹/株式会社WILLEE 健康経営伴走推進パートナー

―2024年7月からは戦略を踏まえて健康経営を再スタートするフェーズに入りましたが、どのようなサポートを受けましたか?

横山:多くのサポートをいただきました。具体的には健康管理実務担当者会議におけるアジェンダの提案や資料作成など準備段階での助言や、会議当日のグループワークの運営などもサポートしていただきました。
※主要事業所の保健スタッフを健康管理実務者と位置づけ、健康施策の企画・推進について討議する会議

初回は戦略マップや健康課題レポートをもとに、【産業保健業務を行う目的は何か】【従業員がどういう状態にあることを支援するのか】、という産業保健業務の本質的な目的を再確認する作業を実施しました。グループワークを通じて、自分たちの言葉で本質的な目的を説明できるようになってもらうことを目指し、施策を検討する上で大事にしなければならない軸がぶれないように土台作りを実施しました。

例えば、二次健診の受診率が低いという課題があると、受診率を高めるための施策検討に陥りがちです。しかし、先述のグループワークを通じて戦略マップの全体理解を促したことで、「なぜ受診率を上げないといけないのか」、「受診率を高めることで解決する課題は何なのか」、「その課題の要因は他にないか」などと視野を広げて「本質的な課題解決」について考えるきっかけになったと感じています。

その他には、産業医会議でデータ分析結果とそれを踏まえた推進戦略について説明をしていただいたり、経営会議や取締役会の準備などをサポートしていただくなど、健康経営の推進体制を強固なものにする上で重要な部分で多くの力を貸していただきましたね。

堅田:川崎重工グループの戦略的な体制づくり及びその推進に向けたお手伝いをしました。健康管理実務担当者会議に関しては、各事業所の保健スタッフさんたちが主体的に健康経営の推進に関わっていただけるように、会議資料の作成やディスカッションの進め方などをサポートさせていただきました。

戦略マップに基づく事業所別の健康課題レポートや更なる内訳データを保健スタッフさんに提示させていただいたのですが、事業所の特性を踏まえた読み解きをしてくださったため、的確な現状・課題理解を促進することができて良かったなと思います。

また、年間全4回の会議運営を行ううえでは、横山さんとご相談し、メンタルヘルス対策、重症化予防、禁煙推進の3つの主要テーマにグループ分けして、課題の深掘りと対策の検討・推進を図っていく形式にしました。ロジックツリーで課題を深掘りする方法など一例を示させていただいたのですが、それを基に各グループの保健スタッフさんの間でしっかりと考えていただき、課題全体像を踏まえた対策の優先順位付けが図られていました。どのようなデータ、フレームワークに基づきPDCAを回していくか、という一つの型ができてきたのではないかと思います。

堅田 謙侑/株式会社WILLEE 健康経営伴走推進パートナー

経営陣と医療職の本気度が上がり、全社的に健康経営を推進する体制を構築できた

―WILLEEのコンサル導入前と後で、社内にどのような変化が生まれましたか?

長谷川:最も大きな変化は、経営陣の健康経営への理解が深まったことです。これまでは経営陣に対して、健康経営の全体像や意義についての共有が十分にできていませんでした。しかし、データに基づいた現状分析と今後の取り組みを明確に説明できるようになったことで、経営層の健康経営に対する本気度が変わったように感じています。正直にお話しすると、1年間でここまで劇的に健康経営の推進体制が築けるとは思っていませんでした。

その他には、健康経営の医療職の意識改革が実現できたという点が挙げられます。当グループには産業医をはじめとした約30名の医療職メンバーがいますが、これまでは日々の健診業務など緊急度の高い業務対応等に追われている状況でした。そのため、健康経営に関する施策の意義といったところまで、十分に伝えきれていなかったと感じています。しかし、データ分析結果に基づく現状課題とそれを踏まえた推進戦略に対する理解を進められたことで、少しずつですが、産業保健に求められる業務や意義などに関する本質的なご意見をいただけるようになってきています。今では健康経営を推進する上でも、とても心強い存在になっていますね。

横山:数多くの部分で変化を感じていますが、一番は推進力が圧倒的に変わった点です。これまでは担当者として業務を一人で抱え込んでしまうことが多く、何でも自分だけでやろうとしてしまう部分がありました。それが、WILLEEのサポートを通じて健康経営を進める土台ができたことで、長谷川部長や森課長が経営層や医療職など多方面に働きかけをしてくださって、組織として健康経営に取り組む体制が強固なものになったと感じています。

―WILLEEに依頼して良かった点を教えてください。

長谷川:健康経営の体制を大幅に整えることができたことはもちろんなのですが、具体的な施策の実行を担っている森や横山の成長を強く感じています。WILLEEのお二人が彼らに寄り添いながら、根本的な部分から伴走支援してくださったおかげだと考えており、WILLEEに依頼して本当に良かったと感じています。

:WILLEEとのお付き合いを決めた理由でもあったのですが、お二人には当グループに心から寄り添った支援をしていただいていると感じています。まずは我々の話をしっかりと聞いた上で、その状況に合わせた柔軟なサポートをしていただけたのは本当に心強かったですね。

横山:WILLEEに依頼する前は一人で考えて行き詰まることも多かったのですが、さまざまな視点からアドバイスをいただいたおかげで、自分自身の考えが整理され、自信を持って業務に取り組めるようになりました。特に、以前から従業員の健康改善に向けたアプローチ方法についてはなかなか確信が持てていなかったのですが、半年間の支援を通じで多角的な視点で、中長期的な目標から逆算して施策を検討できるようになりました。

健康経営をより高いレベルで社内に浸透させていきたい

―今後の健康経営の推進に向けた意気込みを教えてください。

長谷川:徐々にですが、健康経営を推進する土台が出来上がってきたと感じています。今はいわば「型ができた」状態であり、これからは「魂を入れる」フェーズだと考えています。

また、今後は投資に対するリターンを明確に示すことが求められると感じています。WILLEEのお二人にサポートしていただきながら、社内外に対して健康経営の効果をより分かりやすく発信していきたいですね。

:今後の課題は、健康経営をより高いレベルで社内に浸透させることです。社内でも徐々に浸透しつつありますが、まだまだ限られた範囲にとどまっています。

例えば、従業員に健康対策について聞いた時に、単に「健康診断を受けています」というような反応ではなく、「社内の健康経営に関する取り組みに参加して、健康への意識が変わりました」と従業員が自ら語れるレベルまで持っていくことを目指したいと考えています。

横山:従業員一人ひとりが自身の健康を大切にする意識をより強く持ってほしいと考えています。当グループには頑張りすぎてしまう真面目な従業員が多く、健康に関する研修のために離席をすることに後ろめたさを感じている方もおられます。

今後は、健康管理・増進を図ることが良い仕事をする上で最も重要であるという認識が広がり、職場で健康イベントなど含め、健康について自然に話すことができる会社にしていきたいです。

―WILLEEのサービスはどのような会社にあっていると思いますか?

長谷川:健康経営度調査の総合評価の向上を追いかけるのではなく、健康経営の本質的な部分に取り組みたいと考えている会社にはWILLEEのサービスが非常にマッチするのではないかと思っています。また、当グループがそうであったように、健康経営の推進担当者の視野を広げ、成長させていきたいという会社には合っていると思います。

:WILLEEへの依頼を決めた理由は、寄り添った支援をしていただけるという期待感があったためです。実際に丁寧な伴走支援をしていただき、期待以上のサポートをしていただきました。通り一辺倒の支援ではなく、自社の状況に合わせて柔軟な支援を期待したい会社にオススメです。

横山:自社だけでやっていた時は困難なことも多かったですが、WILLEEからの伴走支援は心強いものでした。健康経営に関する施策検討は、重要だという認識がありつつも後回しになりがちでしたが、課題の可視化や戦略の立案など土台構築のサポートを受けたことで大きく進めることができたと感じています。健康経営の推進に関して少しでも不安を感じている会社は、ぜひWILLEEに依頼してみてください。

           
川崎重工業様のご支援に関わるサービスはこちら